「裏切りとは自己保護の手段である」という言い訳

 人を信じる、という行為は非常に無意識に行ってしまいながらも、後々多くのエネルギーを奪われるものである。それは「信じる」の逆側に「裏切る」が存在するからである。裏切ることは信じることとは違い、意識的に行われることが多い。しかし、相手の心理状態を考えもせず、非常に利己的な判断で行なってしまうと、相手に非常に大きなダメージを与える。エネルギーを膨大に消費させてしまうのである。
 裏切られる時に消費するエネルギーの大きさは、裏切られる以前の状況における心理的距離の遠近と反比例する。つまり、相手との心理的距離が近ければ近いほど、裏切られた時に消費するエネルギーは膨大になる。そのため、非常に親しい(少なくとも裏切られた方にとって)友人や恋人、家族などに裏切られた場合はトラウマさえ発生させる。特に家族に夜裏切りは、「血」という問題があるため、唯一裏切らないはずの「自己」に裏切られたようにさえ感じてしまう。そのため、家族(特に両親)に裏切られたと感じた場合にはPTSD(正式には英語で「Post-Traumatic Stress Disorder」といい。日本語では「心的外傷後ストレス障害」又は「外傷後ストレス障害」)さえ伴うのである。
 PTSDは本人もしくは近親者の生命や身体保全に対する重大な脅威となる心的外傷的な出来事に巻き込まれたことにより生じる障害で、外傷体験が反復的かつ侵入的に想起され、あたかも過去の外傷的な出来事が目の前で起こっているかのような苦痛に満ちた情動を伴う錯覚(解離性フラッシュバック)、孤立感、睡眠障害、外傷体験に類似した状況に暴露されたときに生じる著しく過度の驚愕反応などの症状を特徴とする疾患である。多くの人はっこのようなことは非日常で、自分には関係ないと思っている。しかし、原因不明のいらいらだとか、情緒不安定は弱いPTSDであるとも考えられる。
 これは、普段は思い出さない程度のショック、過去に体験したもの、が深奥にこびり付いていルために引き起こされるのではないだろうか。その原因になりやすいのが軽度の「裏切り」であることが多いように感じる。軽度の裏切りは「無意識の裏切り」とも言い換えることができるだろう。つまり、裏切りの行為者と被行為者の間の精神状態や価値観の際によって生じた裏切りである。「この程度のことなら・・・」という無責任な考えもこのようなことを引き起こすであろう。これらの微弱なように見えて絶望的に負のダメージは蓄積するのである。
 日々、「ストレスが溜まってさあ・・・」と呟き、苦笑いで済むうちは問題ない。しかし、こういったことが人間に空隙感、からっぽさを感じさせ、人生を虚無的に捉えさせ、死への傾斜を生み出すのである。
 
「全てはドミノ倒し式に進む。あるいは粗雑に積み上げられた積み木が崩れるが如くなのである」


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