〜一葉記念館

 さて、「三人冗語」で絶賛された一葉の面影を求め、俺らは一葉記念館へと来たのでした。場所は吉原の場所に程近い、竜泉寺町です。一葉の文学にとって桃水との出会いが第1の転機とすれば、ここでの生活体験は第2の重要な転機となっていルといわれます。一葉は商売のかたわら暇を見つけては、上野の図書館に通い、真の文学小説の在り方に想いをこらしました。また、さりげなく吉原見物をしたり、店に来る子供達を観察しながら、鋭い人間洞察、社会認識を深めたとされています。わずか10箇月だったが、ここでの生活があってこそ一葉文学が生まれたといえるのではないでしょうか。
 少々、前後しますが、一葉記念館へ向かう途中の道脇には一葉の旧居跡があります。といっても、「一葉旧居跡碑」という細い石碑が立っているだけです。
 記念館の中には、自筆資料や佐藤春夫からの書簡など興味深い資料が沢山ありました。一番は、アニメ・「たけくらべ」でしょう(爆笑)。小さなブースがあり、モニターが置いてあります。その前にあるボタンを操作すると・・・アニメ版「たけくらべ」(ダイジェスト)が始まりました。やっぱ、小説で読んだ方が良さげです。とにかく、堪能は十分に出来たのでした。