東京の本屋はすごいね(田舎者)

 最近はずうっとブックオフだった俺。しかし帰路を渋谷駅まで共にした同期の本屋への寄り道に便乗しました。ちょうど図書券もあったし、タイミングがええなと。で、前からほしかった小説を物色・・・あったー!!三崎亜記(男性ですよーw)の『となり町戦争』!すばる新人文学賞受賞作品で、審査員が絶賛。ココまでの絶賛は久しく見ていないような気がします。
 集英社は大衆文学を「すばる新人文学賞」、純文学を「すばる文学賞」という設定(それは募集雑誌の性格もある)をしていたわけです。前者の典型例は篠田節子が『絹の変容』で受賞後、『女たちのジハード』で直木賞村山由佳が『天子の卵』で受賞後、『星々の舟』で直木賞ですね。後者の典型例は又吉栄喜が『ギンネム屋敷』で受賞後、『豚の報い』で芥川賞辻仁成 が『ピアニシモ』で受賞後、『海峡の光』で芥川賞金原ひとみの『蛇にピアス』もそうですね。最も最後のは認めませんけどねwまあ、辻仁成もかなーり怪しいけどwww。まあ、すばる文学賞ってのは怪しい性質持ってるのでしょうがないですね(笑)なんせ、大鶴義丹が『スプラッシュ』で受賞という難度Eの離れ技を披露してますから(爆笑)。でも、デビッド・ゾペティの『いちげんさん』は素晴らしいけど。
 まあ、大衆文学と純文学の垣根がかなーり低くなって行き来が自由になり久しいわけです。文藝賞三島由紀夫賞なんかは如実ですよね。前者は初期は高橋和巳とかなので別格ですが、その後は大衆街道突っ走ってますよね。田中康夫『なんとなくクリスタル 』・山田詠美『ベッドタイムアイズ』(俺としては、彼女程度の作家が泉鏡花賞を受賞したのが信じられません。あと、芥川賞選考委員も辞めてほしい。選評がすっごくノータリンwです)・芦原すなお青春デンデケデケデケ』とまあこんな調子。しかし、近年綿矢りさが『インストール』で受賞後に芥川賞(『蹴りたい背中』)、前回文藝賞受賞の山崎ナオコーラ人のセックスを笑うな』・白岩玄野ブタ。をプロデュース』は共に芥川賞候補です。なんか最終選考まで行くこと自体不可思議ですよねえ・・・。後者の三島由紀夫賞は、名前からして純文学にかぶいてるでしょう?実際初期は大岡玲が『黄昏のストーム・シーディング』で受賞、翌年に『表層生活』で芥川賞笙野頼子『二百回忌』で受賞、同年『タイムスリップ・コンビナート』で芥川賞受賞。松浦寿輝折口信夫論』で受賞後、『花腐し』で芥川賞、と文句つけようがない。しかーし・・・最近は、青山真治ユリイカ EUREKA』や舞城王太郎の『阿修羅ガール』が受賞。嶽本野ばらの『エミリー』が候補になるなど、錯乱状態です(まあ、舞城王太郎の『阿修羅ガール』を候補にした芥川賞はもっと凄いけどね・・・)w。
 で、何が言いたいのかと言うとw、逆流は一方向ではないということです。つまり、すばるの二つの文学賞に話が戻りますが、今回俺が買った三崎亜記の『となり町戦争』はすばる新人文学賞受賞作なわけです。しかし、これはけして大衆文学ではない(ほとんど手付かずの状態で言うのもなんですが)。要するに、すばる新人文学賞受賞作が立派に純文学してて、芥川賞を受賞する可能性が大きい時代だということです。ま、しかしそんな芥川賞ですら境界線は雨で滲んだ石灰のラインでしかなく、期待できませんけどね。逆に、群像新人賞が一番純文学してるかもです。このまま行くと、憧れの芥川賞が「芥賞」になってしまう・・・
 で、題名についてなんですが、今回俺が買った小説は「サイン本」でしたあ!!嬉しい。ミーハーな俺www。エヘッ^^;

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